瞬間真空熱分解法(FVP)によるポルフィリノイド合成

留学生氏名 : 八木 篤実

(所属) : 名古屋大学大学院工学研究科 忍久保研究室 博士後期課程3年

期間 : 2021年5月29〜30日、7月6〜7月13日

場所 : 関西学院大学 理学部 畠山研究室

 私は名古屋大学 忍久保研究室で新奇ポルフィリノイドの合成とその物性調査を行なっています。ポルフィリノイドとはポルフィリンと似た構造を有する類縁体の総称です。ポルフィリノイドはポルフィリンと同様にその分子構造や電子構造に由来して様々な物性を発現するため興味が持たれており、その合成法の開発が行われています。

 そこでポルフィリノイドの一種であるノルコロールの新規合成法の開発を目標として関西学院大学 畠山研究室にて実験を行ないました。

 畠山研究室ではFlash vacuum pyrolysis (以下 FVP法)を用いてノルコロールの合成を試みました。FVP法を行なうには高真空装置や電気炉等の専用装置とそれを扱うノウハウが必要ですが、畠山先生及び研究室の皆様に指導して頂いたおかげで実験を滞りなく進めることができました。また、日々の実験のディスカッションの中で検討方向の修正をしていただき見失わずに実験をすることができました。

 新型コロナウイルスによる影響のため感染対策等を十分に行ない、実験を実施しました。普段とは異なる環境で滞在期間が限られている中での実験のため不安な気持ちはありました。このような状況のなか、畠山研究室の皆様には温かく迎えて頂き感謝いたします。学生の皆様が非常に精力的に研究に取り組んでいる姿にとても刺激を頂きました。FVP法に関連しない研究を行なっている学生の方々とも交流を行なうことができ、非常に有意義な時間を過ごすことができました。今回ご協力いただいた畠山先生、忍久保先生、畠山研究室の岡田さん、高密度共役の科学の関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。